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非定型うつ病ってどんな病気?【41】~認知行動療法の効果をあげる自律訓練法~

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うつ病になる人は年々増えていると言われており、厚生労労働省の調査では、日本の潜在的なうつ病患者の人数は600万人を超えると言われています。

うつ病患者の中でも、最近増え始めていると言われているのが「非定型うつ病」と呼ばれるニュータイプのうつ病です。

「非定型うつ病ってどんな病気?」では、専門家でも理解が不十分とも言われている「非定型うつ病」とは、どんな病気なのか?その症状や治療法などを紹介していきます。

第41回は、「広場恐怖症を改善する行動療法」の続き、「認知行動療法の効果をあげる自律訓練法」をみていきます。

目次

認知行動療法の効果をあげる自律訓練法

自律訓練法だけで、症状を改善できるものではありませんが、心や体の緊張感を解き放ち、自己コントロール力がつくので、認知行動療法の効果を高めることができます。

心身をリラックスさせて、ストレスへの抵抗力をつける

自律神経は、呼吸、血圧、発汗、排尿・排便など、体中の機能を調整する神経系で、自分の意思では動かすことができません。

しかし、意思で動かせる運動神経を使うことによって、間接的にコントロールすることができます。

自立訓練法は、この原理を応用したリラクセーション法で、「体から心に働きかけ」、心身の緊張感をやわらげる方法です。

うつ病や不安症への効果が高く、多くの精神医療機関が取り入れているといわれています。

自律神経法の基本は、体の力を抜いて筋肉をゆるめること。

すると、全身の毛細血管が拡張して、血液の循環がよくなり、体の緊張だけでなく心の緊張もほぐれていきます。

また、自律訓練法では呼吸の調整も大切です。

意識的に、深く、静かに、ゆっくり腹式呼吸を行うことで、心身が穏やかに鎮静していきます。

自律訓練法は、心身の安定に役立つ素晴らしい方法ですが、これだけでうつ病や不安症の症状が改善されるものではありません。

それでも、認知行動療法などの効果をあげるためにも、しっかり身につけておくとよいでしょう。

また、パニック発作の過呼吸のときなどにも、自律訓練法の呼吸をすると、症状の改善や再発防止に役立ちます。

自律訓練法の効果

  • 心身にたまった疲労を回復させる
  • ストレス刺激に強くなり、イライラせず、穏やかになる
  • 自己コントロール力が高くなり、衝動的な行動が少なくなる
  • 仕事や勉強の効率が上がる
  • 身体的な不調や、精神的な苦痛が緩和される
  • みずから内省する力がつき、自己向上心が高まる

自律訓練法でリラックス

自立訓練法は、まず「気持ちを落ち着ける」というトレーニング(背景公式)から開始し、6つのトレーニング(公式)を行って、最後に消去動作を行います。

全て終了するのに、15~20分ほどかかりますが、時間のない時は第2公式まででもよいでしょう。

また、毎日1~2回行うのがおススメです。

自立訓練法をはじめる前に

  • 自立訓練法を行う時は、ベルトや時計など体を締め付けるものをとり、仰向けに寝るか椅子にゆったり座ります。
  • 目を閉じて、呼吸は腹式呼吸を行います。
  • まず「気持ちが落ち着いている」と暗示をかけます。
  • 次にあげる「6つの公式」と呼ばれる暗示を順番にかけていきます。最初は第2公式まででも十分効果があります。
  • 「6つの公式」のあとは、活動レベルを戻すために、必ず「消去動作」を行います。
  • 5~6回ほど、両手を握ったり開いたりしたり、2~3回ほど、両ひじを曲げたり伸ばしたりします。
  • 最後は大きく背伸びして目を開けます。

背景公式

「気持ちが落ち着いている」と心の中でゆっくり繰り返します。各公式の合間にもつぶやくといいでしょう。

第1公式

両腕・両足に重さを感じる。

まず、右手に意識を向けて、「右手の重さ」を感じます。同時に、心の中でも「右手がとても重い」とゆっくりと唱えます。次に、左手、右足、左足と順番に続けます。

第2公式

両腕・両足に温かさを感じる。

右手に意識を向けて、「右手がとても温かい」と、心の中でゆっくり唱えます。。次に、左手、右足、左足と続けます。

第3公式

胸に意識を向けて、「心臓が静かに打っている」と心の中でゆっくり唱えます。

第4公式

呼吸に意識を向けて、「自然に楽に呼吸している」と心の中でゆっくり唱えます。

第5公式

おなかに意識を向けて、「おなかが温かい」と心の中でゆっくり唱えます。

第6公式

額に意識を向けて、「額が心地よく涼しい」と心の中でゆっくり唱えます。

消去動作

  1. ゆっくり目を開ける
  2. 手を前に出して、力を入れてグーの形をつくる
  3. 勢いよくパーの形にする
  4. 2と3を繰り返す

 
次回、「非定型うつ病 回復のポイント ① 規則正しい生活リズム」へ続く


 

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